【完】俺様教師に愛されて。
「ちょっと、借りたノートを返しに行くだけです」
「借りたって、誰に?」
「恭ちゃんです、って、何でそんなコトまで言わないといけないんですか?」
「恭ちゃんって……ああ、凪原のことか。ふーん」
「恭ちゃん、ねぇ……」と、どこか考える様子で呟く。
そしてまだ先生は、私の手をしっかりと握っている。
「先生、手離して下さい」
「嫌だ」
「……は?」
「だから、嫌だっつってんの」
ニコリと女の子悩殺スマイルをして、先生は私の手を握る手にギュッと力を入れる。
私は先生を軽く睨みつけて、「離して下さい」と少し強めの口調で言った。
すると……
「その凪原から借りたっつうノート、俺が返しといてやるよ」