【完】俺様教師に愛されて。



「ちょっと、借りたノートを返しに行くだけです」

「借りたって、誰に?」

「恭ちゃんです、って、何でそんなコトまで言わないといけないんですか?」

「恭ちゃんって……ああ、凪原のことか。ふーん」


「恭ちゃん、ねぇ……」と、どこか考える様子で呟く。

そしてまだ先生は、私の手をしっかりと握っている。


「先生、手離して下さい」

「嫌だ」

「……は?」

「だから、嫌だっつってんの」


ニコリと女の子悩殺スマイルをして、先生は私の手を握る手にギュッと力を入れる。

私は先生を軽く睨みつけて、「離して下さい」と少し強めの口調で言った。


すると……


「その凪原から借りたっつうノート、俺が返しといてやるよ」



< 16 / 343 >

この作品をシェア

pagetop