【完】俺様教師に愛されて。



「倉本。そこをどけ」


冷たく凍えるような声が、私と先生の間を通り抜けた。

先生は私の手を握ったまま、声がした方に顔を向ける。


「義実?何でここに……。美加が倒れたことは、まだお前には言ってないハズだけど」

「いや、森沢がたまたまお前が塩川を保健室に連れて行くところを見かけてな」

「で、何で義実は来たわけ?」

「さっき、保健の先生は用事で出かけた。と言うことは、保健室にはお前と塩川の二人きり。だから来た」


「要するに、倉本と塩川を一緒にいさせるワケにはいかないってコトだ」と言って、緒方先生は倉本先生の肩を掴んで思い切り後ろに引いた。

私と倉本先生の手が、離れる。



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