【完】俺様教師に愛されて。
「なにに、縛られる必要があるんです?」
凪原の声が、少し震える。
「教師とか生徒とか、過去に縛られないで、もう素直になれば良いじゃないですか」
白い壁に、とんと凪原は背を預けた。
「俺と違って緒方先生の“愛”は、手が届くんだ。本当に、羨ましい」
凪原が伸ばした手がつかんだのは、何もない、ただの空気。
「いや、羨ましいを通りこして憎い。届くのに捕まえない。いつかなくなるかもしれないのに、変に余裕かまして腹が立つ」
「凪原……っ」
「……本当に、腹たつなぁ」
へらりと笑い、視線を横に向ける。
そこには……