【完】俺様教師に愛されて。
英語を嫌いな理由をあげよ。
そんな問題があったなら、私はいくらでも答えられるだろう。
英単語を覚えるのが嫌い。
英文を日本語に訳すのが嫌い。
と言うか、英語の全部が嫌い。
とにかく英語が嫌い。
私は英語が、嫌いなのだ。
「……もう、諦めようかな」
時計の長い針と短い針は、授業終了の五分前をさしている。
諦めてしまおうか。
よしそうしよう。
自分の中で結論づけ、私はコトリと右手に持っていたシャーペンを机の上に置いた。
その、瞬間……
「塩川」
すぐ側で、私の名前を呼ぶ声がした。