【完】俺様教師に愛されて。
「時間だってあんまかかってないし……。もう一枚、やるか」
ガサゴソと、先生は机の横に置いてあった自分の鞄を探る。
先生の言うとおり、私がそのプリントをやるのに時間はまったくかからなかった。
あの私がだ。
あの、英語がまったくダメな私が、英語のプリントをこんな短時間でできるなんて……。
「先生の、おかげだと思います」
「え?」
「プリント早く終わったの、先生のおかげです」
先生に丁寧に教えてもらいながらやったからこそ、こんなに早くできた。
先生は勉強を教えるのが凄くうまい。
それは、事実だから。
「美加にそう言ってもらえると、むっちゃ嬉しい」
そう言って先生は、満面の笑顔を浮かべた。
満面の……
「………?」
違和感を、感じた。