【完】俺様教師に愛されて。



「……美加」


ポツリ、と先生は呟く。

そして少し顔を伏せ、言葉を続ける。


「俺は……俺が、いつもプリントだけで授業するのは、教科書やノートを使う授業が堅苦しいから嫌で」


ツーーと、自分の教科書を指先で撫でる。


「生徒も……みんなもそうだろうって思って。最初はそれだけだったけど、そっか、俺楽しかったんだ」


ニコリと笑う。


「俺、楽しかったんだ。みんなと話せて、笑いあって、プリントだけの授業だけど、だから俺は」


パタンと、教科書を閉じた。


「俺、なんか凄い大事なこと忘れてた気がする」


スルリ、と先生はしていたネクタイをほどいた。



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