【完】俺様教師に愛されて。
「あの料理オンチの美加が、こんな美味しそうなマドレーヌを作れるなんて……」
「一番びっくりしてるのは私なんだけどね」
そうだ。
一番びっくりしているのは、凄く美味しそうなマドレーヌを作り上げたこの私だ。
「一つもらってもいい?」
「もちろんだよ!」
私がそう言うと、「じゃあいただきます」と言って、恭ちゃんは美味しそうなマドレーヌを一つ私の手の中から取る。
でもそれと同時にキーンコーンと予鈴が鳴り、あ〜んと口を開けていた恭ちゃんの手が止まる。
「えぇー、今食べたいのにぃー」
「放課後にでも食べれば恭ちゃん?ほら、次から全部移動の授業だし」
「うん、じゃあそうする」
そう言って恭ちゃんは、私のマドレーヌを自分の鞄の中へと入れた……。