【完】俺様教師に愛されて。
「美加のクラス、今日授業でマドレーヌ作ったんだろ?一つちょ―――」
「嫌です」
「一つだけ―――」
「嫌です」
時刻は放課後。
第一自習室。
私の目の前にいる倉本先生は、もの凄く真剣な表情をしている。
「いいだろ別に!美加の手作りお菓子が食べたい!!」
「いいですから勉強しましょう先生」
「マドレーヌくれないなら勉強しない」
「はい?」
腕を組み頬を膨らませ、拗ねた子供のようにフンッと顔を逸らす。
「……凪原には、マドレーヌあげたの?」
「恭ちゃんですか?もちろんあげました」
―――ガタンッ!
そんな音が鳴ったと思ったら、先生が机に両手をついて椅子から立ち上がっていた。