【完】俺様教師に愛されて。



「美加のクラス、今日授業でマドレーヌ作ったんだろ?一つちょ―――」

「嫌です」

「一つだけ―――」

「嫌です」


時刻は放課後。

第一自習室。


私の目の前にいる倉本先生は、もの凄く真剣な表情をしている。


「いいだろ別に!美加の手作りお菓子が食べたい!!」

「いいですから勉強しましょう先生」

「マドレーヌくれないなら勉強しない」

「はい?」


腕を組み頬を膨らませ、拗ねた子供のようにフンッと顔を逸らす。


「……凪原には、マドレーヌあげたの?」

「恭ちゃんですか?もちろんあげました」



―――ガタンッ!



そんな音が鳴ったと思ったら、先生が机に両手をついて椅子から立ち上がっていた。



< 62 / 343 >

この作品をシェア

pagetop