【完】俺様教師に愛されて。
「とにかく」
少し乱れたスーツを整えて、緒方先生はコホンと咳をする。
「倉本は帰れ」
私の方を向き、
「もう薄暗くなっているが、これから俺は用事がある。送ってやりたいが、すまないな。気をつけて帰れよ」
「あ、はい。分かりました」
言って、私は今まで放置状態だった自分の鞄を持つ。
「ちょっと、俺と美加とで態度違いすぎない!?」
そう言った倉本先生は、何故か私の腕をつかみ……
「とりあえず美加は俺が送っていくから!」
「お断りします」
丁寧に頭を下げ、先生の腕を振り払う。