黒猫は野良猫★
「あ!浬音君が休んでる間に、みんなが大好きな席替えがあったんだよっ」
「へぇ…」
「でねっ!浬音君はぁ、僕の隣っ!!」
「そうなんだ。どこ?」
「浬音君は、一番後ろで窓のとこっ!!」
晄君はニコッと笑うと、僕の手を引いて、席に向かう。
「因みに玖音君は、廊下側の一番後ろの席だよっ」
「‥ふーん」
「……玖音君と‥ケンカでもしたの?」
「え‥」
「転校してきた時と‥だいぶ違うから…」
晄君はさっきまでと違い、心配そうな顔をしていた。
「兄離れだよ」
「兄離れ?」
「僕の目標は玖音で、僕の希望も玖音。大好きなのも玖音」
「兄弟愛ってやつ?」
「まぁ、そんな感じ」
「なんで兄離れするの?」
晄君は首を傾げた。