黒猫は野良猫★
「救急箱はありますか?」
「…棚」
或は僕が指差した棚から、救急箱を取り出すと僕の前に座った。
「痛かったら言って下さい」
「ん」
或は少しずつ丁寧に消毒を始めた。
ジワッと消毒液がしみる為、僕は顔を歪めた。
「…痛い」
「我慢して下さい」
「言っていいって言ったじゃん‥」
「気休めです」
或は手を止めることなく、消毒をした。
僕も大人しく、或に手当てされた。
「はい。終了です」
「ありがとう」
「右目には眼帯をはめたので、目立ちますが大丈夫だと思います」
「ん」
手当てが終わった僕は、或に色々と教えてもらった。
或曰く、もう時間がないらしい‥
「親父さん‥もう直ぐ性格が変わると思います」
「‥わかってるよ」
「…実行する日も近いです」