黒猫は野良猫★
「今日もチョコモチかぁ?」
柏さんはニッと笑いながら、僕をみている。
「‥今日は、柏さんにお願いしたいことがあって来ました」
「なんやぁ?」
「…ここで、雇ってほしい人がいるんです」
「……んー…、なんでや?」
「‥すみません……それは、言えません…」
僕の答えに、柏さんは何かを探るような瞳を僕に向けた。
「‥雇うのは…別にええで?」
「ホントですか!?」
「あぁ。でもなぁ、こっちも条件はあるで?」
「…条、件?」
柏さんはニカッと笑う。
「何人でもえぇ。和菓子屋と洋菓子屋で働ける奴、紹介してぇな」
「…え?」
「今なぁ?めっちゃ忙しいんよ。知り合いの洋菓子屋も忙しくてなぁ…人手が足りんのや」
「…そう、なんで‥すか」
「やからなぁ、何人か紹介してくれへん?」
柏さんの言葉に、僕は大きく頷いた。