黒猫は野良猫★
「連絡してみます」
「ん」
柏さんはニッと笑うと、椅子に座った。
僕は或に連絡し、働けそうな子猫の人数を聞いた。
意外にも子猫達は器用らしく、かなり人数が多かった。
何人でもいいとは言われたけど、流石に多すぎたため或に選んでもらった。
僕は名前を或に確認し、電話を切った。
「お待たせしました」
「全然ええよー」
「えっと、一応…5人ずつで10人なんですが‥」
「ん、大丈夫大丈夫」
「‥洋菓子屋さんの方は…本当にいいんですか‥?」
柏さんはニカッとまた笑うと、叫んだ。
「艶(ツヤ)ぁ、ええよなぁ?」
柏さんの叫びに、奥から綺麗な若い男の人が出てきた。
「いきなりどうしたんですか?」
「聞こえとったやろ?」
「えぇ。聞こえてましたよ」
「じゃあ、ええやろ?」
「はぁ…。仕方ないですね。困った人を見過ごすわけにはいきませんから」
僕は艶さんに頭を下げた。