黒猫は野良猫★




僕は劍冴を見つめた。



劍冴はただジッと‥


僕を見ていた。



急かすこともなく、僕の答えを待つ。



「死ぬよ。僕が死ぬことで、その人が助かるのなら…」



玖音を守れるのなら…



「僕は死ぬ。‥守りたいから」




僕の言葉に劍冴はまた、小さく笑った。



そして何度も……


頷いていた。




「俺もだよ」

「…ごめんね」

「気にすんな。俺は、守りたいから‥死ぬんだ」




劍冴は被害者…



僕らのせいで……死ぬ。
< 206 / 233 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop