黒猫は野良猫★
「浬音。それ以上寝たら、浬音のハンバーグ食うぞ?」
「んー、いやだぁー…」
「‥じゃあ早く起きろ」
玖音は少し布団を剥ぐと、僕の頭をガシガシと撫でた。
少し乱暴だけど、玖音らしい起こし方。
「ふぁー…」
「食いに行くぞ。服着ろ」
「ん」
玖音は僕に、自分の黒いTシャツと黒地に赤いラインが入ったジャージを差し出した。
玖音の服はダボダボで、僕が着ると似合わない。
「…大きいね」
「俺のだからな」
玖音はいきなり服を脱ぎ始めた。
「…いきなりだね」
「いつものことだろ‥さっさと着替えろ」
「ん」
僕は服を着始めた。
玖音は欠伸をしながらも服を着、僕を待っている。