黒猫は野良猫★



「玖音」

「…なんだ」



俺に声をかけたのは、閨杜だ。


顔色一つ変えずに、俺に話しかける。



「後で、浬音にメールしておきます」

「は…?」

「心配なんでしょう?」

「…別に」



閨杜は溜め息をつくと、俺の頭に手を置いた。



「傷付いた玖音なんか見たくありません。悲しい顔をしている浬音なんか見たくありません」

「…閨杜」

「浬音に明日から学校に来るようにいいます」

「…来るわけないだろ」

「では、来れる時だけ来てもらいます」



閨杜はニコッと笑うと、席についた。
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