それでも君を。
17歳 ―冬―
さよならの準備
「ごめん、莉乃。忘れられない女がいる」
そう告げられたのは
私と彼、川崎晃の
1年記念日の前日。
「え?どうしたの急に」
突然のことすぎて
私の思考回路は
情報処理に追い付かない。
「いままで言わなかったのは、ほんと悪かったと思う。ごめんな」
「ちょっとまって、ごめんなってなに?変な冗談やめてよ…」
「冗談じゃねぇんだよ。」
「それってつまり…」
「別れてほしい。」