それでも君を。



一人になると

寂しさが込み上げてきた。

涙が溢れそうになって

歩く速度を早めた。




「意味わかんないよ。晃のばか」



今朝まで降っていた雪が

凍っていた道を溶かす。




走れば走るほど、

靴に吸い上がった雪解け水が

足取りを重くする。




家につく頃には

いくらか冷静を取り戻し、

それと同時に

怒りが募っていた。




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