【短編】メガネ女の悲劇
「それに、また無断外泊だったし…」
『あー…ワタルの家で遊んでたら終電逃しちまったんだよ。あ、嘘だと思うんならワタルに電話していいよ』
そこまではしないよ。
ジュンのこと、信じてるもん。
でも……
「寂しいよ……」
『わーったわーった。じゃあな』
プツ……ツー…ツーツー…
あ、切れた。
耳から離したケータイの画面に写し出された56秒の文字。
もう!なんなのよ!
イライラしたあたしはケータイを鞄の中に投げ込んだ。
ジュンの馬鹿!