妄想俺様彼氏



繰り返して言う椎斗に私もだんだんと理解してきた。


『…ッッ』

そのとたんに涙が溢れ出す。


『ぅ…ぁり…』


言葉を続けようにも嗚咽が混ざって声に出来ない。


それを見かねた椎斗は私をそ…っと抱きしめた。


「大好きだよ…」


抱きしめる手に力が入る。


『うん・・・うん・・・』


そっかぁ…誕生日今日だったんだ。

涙が止まらず私はその腕で頷く事しか出来なかった。



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