あの頃の想い

真ん中にある机に四人が座る。
向かいの席に藤田先生が座る。

「委員長と言っても仕事は多くないのよ。他の生徒に指示を出したり、返ってきた用具の個数を数えるだけ。副委員長はそのサポートをするだけよ。」

私はその先生の話を話半分にしか聞かないで正面に座る藤田先生を睨む。
私の視線に気づいた藤田先生はにっこりと笑う。

「矢野さん、話聞いてる??」

「えっ！？」

いきなり藤田先生に話を振られて慌てる私。

「きっ、聞いてましたよ！他の生徒に指示出したりすればいいんでしょ！」

真っ赤になりながら力強く言う私を先生が笑う。

「矢野さんがやる気でよかったわぁ。私、放送の方もあるからこれからは藤田先生が教えてくれるから。」

そう言うと先生は立ち上がり出て行ってしまった。