あの頃の想い
私も準備室を出ようとする。

「失礼しました。」

そういって出ようとしたときに、

「矢野さん!」

先生に腕を掴まれた。
先生はそのまま私の腕を引いて中に戻すと、扉を閉めて、鍵をかけた。

「なんですか??」

私はわけもわからず先生の顔を見る。
先生は暑くて少し汗をかいていて、なぜか必死そうな目をしていた。

「どうして、俺を避けてたの??」

「別に避けてなんかいません。」

「避けてたじゃないか。俺を見ても挨拶すらしてくれない。」

「たまたま気づかなかっただけです。」

私の腕を掴む手に力が入る。

「先生、痛い…」

先生は慌てて手を離した。

「あっ、ごめん…」
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