向日葵の手紙






――――20歳。





「…あはっ、そんな冗談よしてよ」




想像を超える残酷さだった。


おばさんの涙と会話から、日向がただごとじゃないことは察していた。


でも、まさか。

本当に「死ぬ」なんて。


失ったら怖いと思ってここまで走ってきた。


でも本当に失うことになるとか、考えてるようで考えてなかったのかもしれない。




「…冗談でこんな事言うかよ」



日向の冷たい声によって、あたしの中の残酷な現実がさらに重みを増した。


体がまた鉛になったみたい。

うごかない。



…うごけない。





「こっちに引っ越して来たのも、病気のせい」


「え…?」


「芦崎の専門医を紹介されたからなんだ」



……どうして神様は、

意地悪ばかりするんですか?




あたしは、また大切な人を失うんですか…?
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