向日葵の手紙








「葵ー時間大丈夫なのー!?」


お母さんの叫び声ではっとした。



「行ってくるね」


「葵」



お母さんがあたしを呼び止めた。



「日向くんのこと頼」
「大丈夫」



…思わずお母さんの声を遮った。
確認しようとしただけのお母さん。


でも…何だか無性に悔しかった。




…泣かない。




「行ってきます。」




――ばたん。



外は、いつも通り暑かった。
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