向日葵の手紙



その日の放課後。


あたしは日向と話していた。

…その時。


「日向、ちょっといいかな?」



――未夜。

おしとやかな笑みを浮かべて立っていた。 


「未夜」


…日向、未夜の名前よばないでよ。

そっち向かないで。



……自分でもびっくりするくらいの嫉妬。

思わず自分にぞっとした。



「学校案内したげる!行こ?」



未夜が日向の制服の袖を引っ張る。




――行かないで。


でも、何も言えない。

言えるわけがない。



「まじ?ありがと」



日向はにこっと笑って席を立った。


…ああ、だめだ。

どうしようもないくらいもやもやする。




「ねぇ、葵ちゃんも行こうよっ!」


「え?」


「私、葵ちゃんとも仲良くなりたいの!だめかなぁ?」


「………あたしは、いいや」
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