向日葵の手紙



「あの時も…未夜は爪噛んでた」


「ちがう…っ!私はまだ本当に日向の事が――」
「俺」


俺は未夜の言葉を遮った。



「俺、本気で未夜の事好きだったよ」



未夜の動きが止まった。



「だから未夜が…俺はいつかいなくなるかもしれないからって、他の奴に保険かけて…二股してたときすげえショックだった」


「あ……あのときは…どうかしてた、病気って知って怖くなって……」


未夜の瞳が潤んだ。

顔がゆがむ。



「転校して葵に会って、あいつ俺の太陽みたいだなって思った」



「ひ…なた………」



「死ぬなって……生きてよって言ってくれた」


「……葵ちゃん、すごいね…」

未夜が涙をふいた。
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