向日葵の手紙
―…夢を見ていたのだと思う。
あたしが、日向に抱きしめられていた。
日向がすごく温かかった。
なんだか日向が遠くに行ってしまうような気がして。
きつく日向を抱きしめていた。
日向はあたしの体を離した。
…やだ、行かないで。
そう思った時、あたし日向にキスされた。
唇に柔らかい物が触れた、初めての感触。
それが心地好くて。
無我夢中でキスを繰り返した。
あたしの心は温かさで満たされていった。
――…ピリリリッ…―
携帯の着信音で、目が覚めた。
「…夢……」
夢にしては随分リアルだった。
自分の唇に手をあててみた。
…頬が熱くなる。
恥ずかしくなって、慌ててケータイを開いた。