向日葵の手紙
「あ…葵、なにしてんの」
びくっと肩がふるえた。
恐る恐る後ろを向くと、麻美が立っていた。
「あ、麻美」
「『あ、麻美』じゃないわよ!ビビったじゃない!!」
「あはっ、ごめんごめん」
そのままあたしらは笑いあった。
「てか何で麻美早く来てんの?」
「あ〜」
麻美は照れ臭そうに俯いた。
「この間ちょーっと葵にきつかったかな?って、お詫びにこれ渡そうかと思って」
はい、とあたしの前に差し出されたもの。
ラッピングされた、可愛い手作りのクッキー。
「え…わざわざ?つくったの?」
「だ、だってあたし葵のこと好きだし!喧嘩したままとかいやよ!」
思いがけない一言に目を見開く。
真っ赤に頬を染めて照れる麻美。
…なんかめちゃくちゃ可愛いかった。
「ありがとう、麻美!!大好きっ」
「ぎゃーくっつかないでよ!!」
心の芯から温まっていく。
…あたしにも、友達いんじゃん。
こんなに麻美があたしを気づかってくれていた。
十分友達じゃないか。