向日葵の手紙


だんだんとみんなが集まり始める。

杏里も教室に入り、いつもの4人がそろう。


テストだから、参考書を持って問題を出し合う生徒がほとんど。


「葵ーなんか問題だして!頼む!!」

杏里があたしに頭を下げた。

「あはっ、いいよ~!何の教科?」

「理科で!!」

今回のテストは1・2年の総復習が範囲。



「じゃあ、硫化鉄の化合比」

「うんとねー4:7:11?」

「おっけい!じゃあ次は、火山岩の代表例」

「安山、流紋、玄武?」

「正解!じゃあたんぱく質を分解する消化液3つ」

「胃液、すい液、腸液」

「基礎は全然余裕じゃんかー」


杏里はマジで夏頑張ったみたいだ。

苦手だったはずの理科が、こんなに解けるようになっていた。


「やばい、里沙全然わかんない」

「「「これからだって!!!」」」


…3人の声が重なった。
< 157 / 174 >

この作品をシェア

pagetop