向日葵の手紙
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「葵、もしかして具合悪…」
「あたし水飲んでくる」
俺の言葉を遮って教室を出ていった葵。
今日の葵は変だ。
絶対明らかに変だ。
朝、俺は昨日より10分早く葵んちのチャイムを押した。
なのに葵はもういなかった。
さっきもいきなり目そらした。
…それに。
葵の目は赤くて、クマもうっすらできていた。
テスト勉強で寝不足なのか。
それとも何かあったのか。
……わからない。
分かるわけないんだ。
俺は葵の事を何も分かってない。