向日葵の手紙


「俺は…だめだ」


思いもよらぬ言葉に硬直する。

涙も…とまる。


「俺はもうすぐいなくなる」


体の先からじんわりとしびれていくような感覚。


…しってるよ。

日向は消えてしまう。


「…優ってやつと、同じなんだよ。」


ぐさり。


心臓が引き裂かれるような痛みが走る。


「俺は…葵の笑顔を奪っちゃうから」



時間が止まったようだった。


なんで。

病気だから?

だから

だめだっていうの?


日向は優じゃない。


日向を好きになったのに。
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