I LOVE YOUが聴きたくて
「あ、ごめんっ。やっぱりハッキリ言うよ」

修は、改めて綾を見つめた。

綾は、修が見つめてくるので、一歩引きそうになる。そして、意味が理解できずに、修の様子を見ていた。

「早乙女さん、彼氏いるの?」

「へ?」

綾の頭に、【何で?】の文字が浮かぶ。

「彼氏いる?」

修は、再度、尋ねた。

「いない、けど」

「そう」

「うん」

「あのね」

「はい」

「聞いてくれる?」

「はい…」

綾は、改めて緊張が走った。

【何を言われるのだろう】

「俺さ。一年の時から、早乙女さんを見てた。早乙女さん、一年生の時から生徒会役員をしてたでしょ。生徒会の役員をしてる早乙女さんを初めて見た時、大人っぽい人だなぁ~って、一年生からやってんだぁって、感心したんだ」

綾は、静かに、修の言葉を聞いていた。

「あれから、ずっと見てる。ずっと、早乙女さんのことが気になってたんだ」

「え……」

綾は、何て言ったら良いのかわからなかった。

修は、静かに言った。

「気になるんだ……早乙女さんのことが…」

そして、意を決した様に、修は、自分の気持ちを、綾に伝えた。


「早乙女さん。付き合って下さい」

修は、いつものクールさはそのままに、綾に対して、とても丁寧で礼儀正しい姿勢だった。

【え?……えぇー!?】

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