I LOVE YOUが聴きたくて
「ありがとうございました」

綾は、修の家族に御礼を言った。

「また、来なされ」

おじいちゃんは、目を細めて、綾に言った。

「はい!」

綾は、思いを込めて返事をした。
そして、思いを告げる。

「素晴らしかったです!感動しました!扇さばき?ですか。初めて見たのですけど、びっくりしちゃいました」

「そうかい!また、来なされよ」

「はい」

綾は、お辞儀をした。
「じゃあ、おじいちゃん、帰るね」

「気を付けるんじゃよ」

「うん」

おじいちゃんは、目を細めて、優しく二人を見送る。

「あ、そうじゃ。修!」

「ん?なぁに?」

おじいちゃんは、何かをふいに思ったのか、修を呼びとめた。

「帰りに、絵描きさんとこの壁画を見なされ」

「ん?絵描きさん?」

「絵描きさんの別荘があるんじゃよ。ここからでも見えるから、すぐにわかるはずじゃ」
「おじいちゃん、知り合い?」

「そうじゃ。外の壁に、立派な絵を描いておる。せっかくだから見なされよ」

「うん、わかった」


修は、綾と一緒に、祖父の家を後にした。
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