I LOVE YOUが聴きたくて
怜樹は、ランプスタンドの灯をともした。部屋中が、赤茶色の淡い灯に染まる。怜樹が、一窓だけカーテンを開けたので、魅麗は、その方に目をやった。すると、窓の外に、夜のエッフェル塔が見えた。そして、夜の街並がライトアップされ、色付いているのが見えた。
「わぁ…夜景、綺麗。ここからの見映え、いいのね。私の家からも、エッフェル塔が見えるけど、ここからの景色の方が、素敵に見えるみたい」
「そっか。魅麗の家からも見えるんだね」
「うん。エッフェル塔が好きだから、なるべく近い家を選んだの」
「僕も好きだな」
「ね、素敵よね」
「うん」
怜樹は微笑み、何気なくレコードを手に取った。クラシック調で、どっしりと佇むアンティークなレコードプレイヤーに、レコード盤を置く。そして、そっと、針をのせた。流れてきたのは、クラシック。名曲「フィガロの結婚」が、小さく聴こえてきた。
「モーツァルトね」
「うん」
「モーツァルト、好きなの?」
「うん。一番好きだな。彼の曲も、彼自身も」
「へぇー…」
魅麗は、揺り椅子に揺られながら、モーツァルトの名曲に聴き入った。よく耳にした事のある名曲に、親しみを感じ、魅麗は、酔いしれる。
「眠たくなったら、眠っていいからね。朝には起こすから、安心して」
怜樹は、キャンバスを用意しながら、魅麗に声をかけた。魅麗は、安心して頷いた。そして、揺り椅子に横たわり、夜景を眺めながら、音楽を聴く。
ふと、なんだか静かになった様子に気付き、部屋を見渡した。怜樹は、キャンバスの前に座っていた。
「描いてるの?」
魅麗は、怜樹を見ながら尋ねた。
「うん。描いてるよ」
「あ、じゃあ、どこを向いたらいい?こっち?」
そう言って、魅麗は、急いで怜樹の方に向きを変えた。
「ううん、どんな体制でもいいよ。楽にしてて」
「いいの?描きにくくないの?」
「大丈夫だよ。モデルさんは、じっとしてたら疲れるから、楽にしてて。動いたりしても大丈夫だから」
「そう。有難う。じゃあ、楽に座ってるね」
「うん」
怜樹は、優雅に色筆を運ばせている。魅麗は、そんな怜樹を眺めながら、モーツァルトを聴いていた。
「わぁ…夜景、綺麗。ここからの見映え、いいのね。私の家からも、エッフェル塔が見えるけど、ここからの景色の方が、素敵に見えるみたい」
「そっか。魅麗の家からも見えるんだね」
「うん。エッフェル塔が好きだから、なるべく近い家を選んだの」
「僕も好きだな」
「ね、素敵よね」
「うん」
怜樹は微笑み、何気なくレコードを手に取った。クラシック調で、どっしりと佇むアンティークなレコードプレイヤーに、レコード盤を置く。そして、そっと、針をのせた。流れてきたのは、クラシック。名曲「フィガロの結婚」が、小さく聴こえてきた。
「モーツァルトね」
「うん」
「モーツァルト、好きなの?」
「うん。一番好きだな。彼の曲も、彼自身も」
「へぇー…」
魅麗は、揺り椅子に揺られながら、モーツァルトの名曲に聴き入った。よく耳にした事のある名曲に、親しみを感じ、魅麗は、酔いしれる。
「眠たくなったら、眠っていいからね。朝には起こすから、安心して」
怜樹は、キャンバスを用意しながら、魅麗に声をかけた。魅麗は、安心して頷いた。そして、揺り椅子に横たわり、夜景を眺めながら、音楽を聴く。
ふと、なんだか静かになった様子に気付き、部屋を見渡した。怜樹は、キャンバスの前に座っていた。
「描いてるの?」
魅麗は、怜樹を見ながら尋ねた。
「うん。描いてるよ」
「あ、じゃあ、どこを向いたらいい?こっち?」
そう言って、魅麗は、急いで怜樹の方に向きを変えた。
「ううん、どんな体制でもいいよ。楽にしてて」
「いいの?描きにくくないの?」
「大丈夫だよ。モデルさんは、じっとしてたら疲れるから、楽にしてて。動いたりしても大丈夫だから」
「そう。有難う。じゃあ、楽に座ってるね」
「うん」
怜樹は、優雅に色筆を運ばせている。魅麗は、そんな怜樹を眺めながら、モーツァルトを聴いていた。