Ｉ ＬＯＶＥ ＹＯＵが聴きたくて

魅麗のもてなしに、外国人のお客様は、大きなリアクションをしていた。
気持ちの良いほど快く食べている。そして、変わった形の器を、興味深げに見ていた。
「Ｏｈ！キモ～ノ、ゲイシャ～」
「Ｏｈ！キョウト！」
ジャスチャー交じりにリアクションをしていた。

「見せてー」
「何ー？」
「？ー」
小さなお客様は、外国人のお客様の所に集まり、変わった形の器を興味深々に見ている。
外国人のお客様は、
「Ｔｈｉｓ…、あー…、コレハ～ゲイシャ～」
と言いながら、笑顔で子ども達に見せた。
「わぁ～綺麗～」
子ども達は、目を輝かせ大きく見開いて、見つめる。そんな様子を、子ども達の両親は、笑顔で見ていた。


店の中では、自然と、【交流の輪】ができていた。



お客様は、とても良い笑顔だった。
それぞれ、笑顔で店を後にする。
魅麗は、その事がとても印象的で、心に残った。お客様の笑顔に、感謝の気持ちで、胸がいっぱいになった。
「有難うございました。是非、また来て下さい。お待ちしております」
魅麗は、お店の外へ出て、深くお辞儀をして、お客様を見送った。

それぞれに遠くなっていくお客様を、見つめる。
「予想もできない、いろんな出会いがあるんだなぁ～…」
魅麗は、遠くなっていくお客様を見送りながら、【出会い】を噛みしめていた。

秋の空。
太陽は、雲の間から顔を出し、午後の景色を照らしていた。



時刻は、午後二時過ぎ。
お客様の入店が途切れたので、魅麗は、今の間に、幼稚園へ怜(ユウ)を迎えに行く事にした。


お店のドアにかけてあるプレートを【すぐ戻ります。テラス席どうぞ】に変えて、幼稚園へと車を走らせた。