I LOVE YOUが聴きたくて
英雄
綾は、何気無く、魅麗と怜(ユウ)に目をやる。
怜(ユウ)は、テレビに映る絵が気になる様子で、黙ったまま、絵を見ていた。大きな太陽や海などに、時々、感嘆の声をあげ、興味があるらしく目を輝かせる。
魅麗は、紅茶をすすりながら、思い出して泣くでも笑うでもなく、普通に見ていた。
それぞれに、テレビを見ていた。
魅麗が普通な感じだったので、綾は、別に良いかなと思い、美咲 怜樹の話題をした。
「最近、毎日見るね。テレビで、この人を見ない日は無いよ」
「あぁ、うん。そうね。待望の日本帰国なんだって。これまで、海外のたくさんの国で、努力や実績を残してきた人を、一目見たいという人が、沢山いるんだって」
「あ!知ってる。貧しい国では、皆を元気づけようと、絵を描いては配っていたんだって。その話をテレビで見た時、魅麗さんの話を思い出したよ。この人が、「何処へでも行くよ。僕なんかの絵で、心を明るくしてくれたら」って言った話。凄いね。本当に、行ったんだね」
「えぇ、そうね」
「初めはね、誰も知らないから、貧しさに心まで貧しくなって、酷い人なんか、この人の絵を、目の前で破る人がいたんだって。「戦争があってるというのに、のんきなもんだ!なんの役にも立たない!」と言って、目の前で破ったり、捨てたりする人がいたんだって」
「そっか…」
魅麗は、少し、目を落とす。
「でもね、長い触れあいの中で、いろんな人間関係の中で、心を通わせて、いつしか、美咲さんの絵を見ると、人々に、自然と笑みが見られたり、目の輝きを見られる様になったんだって。綺麗なものを見ると、綺麗だなぁ~って思うのは、同じだね」
「うん。そうね」
怜(ユウ)は、テレビに映る絵が気になる様子で、黙ったまま、絵を見ていた。大きな太陽や海などに、時々、感嘆の声をあげ、興味があるらしく目を輝かせる。
魅麗は、紅茶をすすりながら、思い出して泣くでも笑うでもなく、普通に見ていた。
それぞれに、テレビを見ていた。
魅麗が普通な感じだったので、綾は、別に良いかなと思い、美咲 怜樹の話題をした。
「最近、毎日見るね。テレビで、この人を見ない日は無いよ」
「あぁ、うん。そうね。待望の日本帰国なんだって。これまで、海外のたくさんの国で、努力や実績を残してきた人を、一目見たいという人が、沢山いるんだって」
「あ!知ってる。貧しい国では、皆を元気づけようと、絵を描いては配っていたんだって。その話をテレビで見た時、魅麗さんの話を思い出したよ。この人が、「何処へでも行くよ。僕なんかの絵で、心を明るくしてくれたら」って言った話。凄いね。本当に、行ったんだね」
「えぇ、そうね」
「初めはね、誰も知らないから、貧しさに心まで貧しくなって、酷い人なんか、この人の絵を、目の前で破る人がいたんだって。「戦争があってるというのに、のんきなもんだ!なんの役にも立たない!」と言って、目の前で破ったり、捨てたりする人がいたんだって」
「そっか…」
魅麗は、少し、目を落とす。
「でもね、長い触れあいの中で、いろんな人間関係の中で、心を通わせて、いつしか、美咲さんの絵を見ると、人々に、自然と笑みが見られたり、目の輝きを見られる様になったんだって。綺麗なものを見ると、綺麗だなぁ~って思うのは、同じだね」
「うん。そうね」