I LOVE YOUが聴きたくて
しかし、その想いとは裏腹に、四年振りに怜樹が探し訪ねてきて突然に再会をしたことと、まだ伝えていない怜(ユウ)のことを知られると辛いという戸惑う思いから、魅麗は、怜樹に対して、ぎこちなさを感じているのであった。


会話が途切れる。


「それにしても、ほんと、久しぶりだね。何年振りだっけ、四年振りだっけ」

間を持てあましたのか、怜樹が口を開く。

「あ、うん。四年振りだね」

「だねぇ。やっぱ、四年会ってないと、なんか、アレだね。違うね。会話もさ…」

「…うん…」

「……、僕は、変わってないつもりだったんだけどね…」

「あ…うん、ごめん。私が、でしょ」

「あ、いや、いいんだ。来るとは思ってないのに、突然現れて、びっくりさせちゃったよね」

「………」

「ごめんね」

「あ、そんなつもりじゃ…」

魅麗は、慌てて言う。

「いいんだよ。逆の立場だったら、僕もそう感じると思うし」

魅麗は、少し苦笑いをしつつ、微笑んだ。

そして、そっと目を落とす。

お店の場所を言っていなかったのに、怜樹が突然に現れたので、見つけてくれたなんて、と、二人の間に奇跡のような、なんだか、特別な何かがあるように感じた。

予期せぬ出来事に、魅麗は、大変びっくりしたけれども、怜樹が会いに来てくれたことに、忘れてはいなかったのかと、とても嬉しかった。

せっかく怜樹が来てくれたのだから、ちゃんと喜びを伝えなくてはと、魅麗は、考えていた。
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