Star☆Hunt〜*スター・ハント+゚・*〜
☆☆

アヤコは、微かな振動に目を覚ました。
枕元のケータイがひかえめに何かを訴えている。メールだ。

何時だと思ってんの。

うす明るいとはいえ、季節は夏。ケータイは4時半を表示している。

…彼がこんなにべったり男だとは。
アヤコが一昨日手に入れたカレシは、メールにやたらとを多用する男だった。

カレシ選びを間違えたかも。

そう思ったとき、アヤコの脳裏にはひとりの友達の顔が浮かんだ。ミチルだ。

ミチルは、中3のときから同クラ。でも、仲良くなったのは高2になってから。
それまでは、クラス内でのポジションが違ったから近寄らなかった。

アヤコは、かわいくて活発で男女問わず人気がある女王様。
対してミチルは、ずば抜けてかわいいけどおとなしくて、2・3人の友達としかしゃべらないお姫様。

その美貌でアヤコの地位をおびやかすミチルとなんて、仲良くなるわけないと思ってた。

…が、今のクラスに知り合いが少なかったこともあり、なんとなく寄り合っているうちに友達になっていたのだ。


ミチルは何かあるごとに「アヤコはカワイイから…」という。自信なさげな、揺れる瞳で。
いやいやこっちのセリフだよ、と内心いつもツッコんでる。

だってミチルときたら、ベッ●ーや●ザンヌがなに?って感じの美少女なのだ。
…なんで比較がベッ●ー&●ザンヌなのかっていうと、ミチルがあまりに日本人ばなれした美少女だからだ。

…●ザンヌは純日本人なんだっけ?まぁいい。

そんな●ッキー&●ザンヌなミチルが、今のカレシをカッコイイと言い出したときは焦った。アヤコも目をつけていた男だったから。

アヤコのキモチの中には、まだミチルに対するライバル心が残っていたみたいだ。

『…趣味おかしくない?』

そう言ってしまったら、もう止まらなかった。ミチルをひるませている間に彼からメアドをゲットし、あっという間にハートをつかんだ。おとといの昼休み屋上で告って、帰りにはカップル成立。ミチルが見てるとこで、わざと手をつないで帰った。

友達なくしたかな、と思って翌朝席についてた。−そしたら、ミチルがやってきた。

……彼女は、責めるどころか笑顔でアヤコに手を差しのべた。あたしが悪かった、軽いノリだったと言って。

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