Star☆Hunt〜*スター・ハント+゚・*〜
☆☆


あたしは、のろのろと足を運んでいた。
空気がジェル状に固まってしまったみたい。どんなに足を動かしても、前に進まない…。


ようやくたどり着いた、教室の後ろのドアを開ける。


「…ミチル」
アヤコがすぐにあたしに気がついた。

あたしはいったいどんな顔をしていたんだろう。アヤコはすぐに心配顔になった。

「……大丈夫?」
うん、まあ大丈夫じゃないけど。

「…うん。なんかだるかったから午前中サボっちゃった。」
−棒読みにしかならなかった。
どうしよう。アヤコを傷つけるかもしれない。−あなたのせいだよ、って当て付けたみたいだ。

ちがうの、ちがう。

今のあたしは失恋どころじゃない。


………あたしの運命は、昨日の夜に変わってしまったの。−恋なんて求めてる場合じゃなかった。


アヤコが心配顔のまま、かける言葉を探してるあいだに、あたしは席についてしまった。
それで彼女に背を向けて、ただじっとしていた。

−世界があたしを追い越していく。
笑い声とウワサ話と夏のけだるさでできた喧騒を乗せて。


あたしはひとり沈んでいった。

誰も来られない、深い深い孤独の底へ…


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