Star☆Hunt〜*スター・ハント+゚・*〜
−ミチル、よく聞いてくれ。
パパが泣いている…
−ずっと言おうと思ってたんだ。だけど、ミチルが傷つくと思うから、言えなかった…
あたしは動くこともできずにソファーに沈んでいた。
−…ミチルは……パパとママは、ミチルのほんとのパパとママじゃないんだよ…
…?
−ミチルのホントのお父さんは、パパの弟なんだ…。パパとママは、ミチルの伯父・伯母にあたる…
……何を言ってるんだろう…?
−…ミチルのお母さんは、ミチルが小さいとき亡くなった…。ドイツのひとでね、お医者さんとしていろんな貧しい国をまわるボランティアをしていたんだ。
…ドイツのひと…?
−お父さん…パパの弟も、国際ボランティアに参加していた。そこでお母さんと出会ったんだ。
……
−お父さんは…お母さんが亡くなってから、ミチルをパパとママに預けたんだ。海外で就職したばかりで、生活が落ち着かなかったからね。
…預けた?
−でもね…お父さんはいつ危険に飛び込むかわからない自分に、大事なミチルを育てることはできない…だから、ミチルをパパとママの養子にしてほしい。って言ったんだ。
……。
−それで…ミチルはパパとママの子供になった。お父さんは、ミチルには何も言わなくていいと言ったんだ…。
…お父さん…
−だけど、この前…三日前だ…お父さんが、亡くなったと…
ママが顔を覆った。
涙でまぶたが持ち上がった。
…パパもママも優しい。
あたしは怒られた記憶がない。
だけど感じていたの。
ずっと、正体も分からない寂しさを。
そして、その孤独の正体を知った。
そしてホントにあたしはひとりになった。
…目を開けたら、夜空だった。
ああもう夜か、と思ったけど
すぐにおかしいと気付いた。
あたしが見上げていたのは満点の星。
そして、見下ろしてもまた満点の星。
あたしは、星空の中に立っていたのだ。