Star☆Hunt〜*スター・ハント+゚・*〜
彦川砂清−ヒコガワ ササヤ。

クラスにひとりはいる「みんなの人気者」

あたしみたいな暗いやつとは、直接話すこともない。「みんなの人気者」の「みんな」っていうのは、そういうおもしろい子と対等に話せる人達のことをいう。

あたしは、何度同じクラスになったって、一切関わらないだろうと思ってた。

−そのみんなのヒコガワくん、がよ。

この、夢みたいな嘘みたいな状況に登場してる。

……シベリアンハスキーみたいな青い目で、ゲームの勇者みたいな顔をしてる。

「…あの、さ」
「なんか用?」
絶対0度のお返事。
「…これって夢かな。」
「夢だと思ってんの?なら夢だってことにしてていーよ。」

…違うんじゃん。

「一番聞きたいこと、聞いていい?」
「一番聞きたいなら最初に聞きゃいいだろ」
まぁそうだけどー。
「…………なんで目が青いの?」
「必要だから。」

…必要ってなに?

「…カラコン?」
「じゃねぇことは言っとく。」

え。

と、ヒコガワは、ボートの右わきに刺さっている長い棒を手に取った。
オール、だ。

「手でこぐの?」
「…こがなきゃどこにも行けねぇだろ。」
まあそうだけど。

…なんなんだろう。
ヒコガワって、クラスの人気者ヒコくんじゃなかったっけ?

どうして、勇者みたいに部品が全部上向いた表情で、なんだか寂しいことを言うんだろう?


「ねえ…ここは、なんなの…?」
「星の海だ。」

即答?
自分のことじゃないならすぐ答えるんだ。

「星の海?」
「生と死のはざま。死にかけたやつがここに来る。」

…死にかけた………

「…………え。…あたし?」
「そうだよ。お前は今死にかけてました。」


思い出した。


「あたし車にひかれた!!」
「そうそう。やっと現実見たか。」
−死にかけ…

どうしよう。
家に帰る帰らないなんて話じゃない!!

「お前をさっき追っかけてたのはヨミの国の門だ。一回逃げ切ったからもう現れねえよ。…もといた場所に送ってやるから早く帰れ。」

ヨミの国…って、死んだ人が行くところだよね?


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