Star☆Hunt〜*スター・ハント+゚・*〜
公園のベンチ。
あたしは制服のまま、古い写真を握りしめて座っていた。
−"帰って"きたあたしは、車にひかれたまんま、アスファルトの上に寝転んでいた。
つまりひき逃げされたワケだけど、別にどこが痛むわけでもなかったし、気にしない。
−死にかけた、ってゆうのは体がピンチだったんじゃなくて、ショックであっちに逝きかけたってことなんだろう。
……帰りたくない。
あたしは、あたしを知りたい。
「−これ以上は話さないでおこうと思う。ミチルはきっと傷つくからね…」
パパは、写真をくれたあとそう言った。
両親について知ったって、傷つくだけだって。
あたしは、どんな過去があろうとあたしなんだよって。
…親戚だけで行うという、お父さんのお葬式も、来ない方がいいって。
「…でも、あたしは知りたいよ…」
あたしを。
あたしがどこから来たのかを。
あたしという存在をこの世界にもたらしたひとたちのことを。
『自分の願いを考えろ』
…ヒコガワのその言葉で、ぐちゃぐちゃしてた気持ちが見えた気がした。
あたしは、ほんとの両親に会いたい。
優しく、傷から守ってくれるパパとママ。
でもあたしは…守られたままではいられないんだ。そう思う。
−夜空が広がっていく。
恐ろしいほどの星空より、懐かしい気がする星のない空。
「…行こう」
あたしは帰らない。
帰らなくていいという場所があるなら。
「…ヒコガワくん」
得体の知れないやつ。
だけど、あたしに手を差し出してくれた…
彦川砂清。
ヒコガワ ササヤ。変な名前。