Star☆Hunt〜*スター・ハント+゚・*〜
「ただいまぁ」
−誰もいない?
珍しくママは出かけてるらしい。
でも今日はありがたい。
いつもみたいに、『おかえり』って飛んで来てくれたら、泣いてたかもしれないから。
……ママは優しい。
パパも優しい。
この16年間、めっちゃくちゃに怒られた、っていう記憶がない。
ほかの子たちみたいに。
あたしが特別良い子だったわけじゃない。
むしろ、問題だらけだったと思うんだけど…
小学校のころから、クラスの強い女子たちにいびられる役わりだった。
クラスが変わってメンバーが入れ代わっても、いつも。
ママは何度先生に呼ばれただろう。
あたしに問題なんてなぃ、ってママもパパも言う。
だけどあたしは、それは変だと思ってた。
…問題ないなら、どうしてあの子たちはトモダチになってくれないんだろう?
そう思ってた。
−大人に近づいていくごとに、あたしの"役わり"のラインは薄れていって、あたし=ひとりでは無くなっていった。
だけど、やっぱり今でも。
あたしの手は片方空いたみたいな状態。
トモダチは少ないし、恋なんてこの手の中にあったことがなかった。
…………なかったんだ。恋なんて。
3ヶ月前までは……。