Star☆Hunt〜*スター・ハント+゚・*〜
…星の海は、この世が生まれ出た混沌の沼のなごり。
静まった水面は鏡となって現世を映した。やがてその現世の鏡像から、そっくり似た世界が生まれた。
今のように澄みきってはいなかった星の海は、そのままに世界を写し取らず、構造も文明も摂理もゆがんだ、もう一つの世界を生んだのだ。
並行世界。もうひとつの人の世。
−映った影から生まれた故に、そこは"カゲの国"といつしか名がついた。
「…"カゲの国"…」
「そ。まさに異世界だ。」
…科学的な方法では絶対に行けない場所。
宇宙を何億光年進んだって着かない。
だが、科学とは相対する方法で、カゲへと渡る者が現れた。
太古よりまじないや魔術のたぐいを生業にしてきた人種がほとんどだ。
…カゲは、現世とは鏡うつしの双子でありながら、鏡で全てをゆがめて出来た世界。そこに栄えたのは地球のような機械文明ではなかった。
「……魔法、とか?」
「そうだ。人間社会の全てを構築していたのは呪術・魔力。−こっからちょっとずつ俺らにも関係してくからな」
星の海を航海し、何人もの人がカゲに渡った。
…そしてあるとき。
帰って来た人々の中に、夢のような話を持ち帰った者がいた。