Star☆Hunt〜*スター・ハント+゚・*〜
初恋は突然だった。

まさに恋の季節!って感じの春ど真ん中。
このあたし、織田(オリタ)ミチルに、16歳にして初めての恋がやってきた。

…16歳で初恋?!(遅)って感じかもしれない。

もちろん、幼稚園やそこらから、『好きだ』って決めた男の子はいたよ。

だけど、それは初恋じゃない。
『好きな子はこの子。』って、言ってしまえばレッテルをはっつけてただけ。

●ーラームーンごっこで、『あなたが●キシード仮面ね』って決めるようなもんだった。


……そんなのとは違う。

彼を見た瞬間、バーンと何かがハジケた。

胸の奥の方から、かわいいピンクの雲がむいむい広がって、あたしを飲み込んだ。

−彼は、同クラ。
4月最初のクラスがえで、一番最後に教室へやってきた。
…背が高くて、ちょっと猫背で、色白。

涼しい一重の目に、涼しい鼻立ち。
薄くて、サーモンみたいにつやっとしたくちびる。

やられちゃったんだ。


ずーっと空いてたあたしの片手に、ついに愛が手に入ると思った。

……思ってた。


『…趣味おかしくない?』
…アヤコの声がよみがえってきた。

制服のままベッドに背中を投げ出して、ぼんやり天井をながめた。

『ミチルには釣り合わないって。ミチルにはさ、もっと顔がハッキリした美男子がお似合いだよ。』
−ツリアイって何?

天秤にかけるのは愛の重さだけでしょ?

ってゆうか美男子て。(古;)



…気づけばよかった。
彼女の愛に。

…あたしへの、ではなく。

彼への。
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