新撰組恋絵巻(完)
【沖田サイド】
朝、目を覚ますと神楽の姿はなかった。
恐らく朝食を食べに広間に行ったのだろう。
怠い身体を無理矢理起こし、身支度を整える。
部屋を出て広間に向かう途中、見知らぬ男の姿が目に入った。
よく見ると隣には神楽の姿もある。
「あっ総司!!おはよう」
僕に気がついた彼女は嬉しそうに小走りでやってきた。
ああ、どうしてこんなに可愛いのかな…このコは。
「おはよう神楽。ところでそちらの方は?」
……本当は聞かずとも誰なのかは分かっていたのだけれど。
「うん、紹介するね。この人がずっと私の探していた帝だよ」