新撰組恋絵巻(完)
「ああ。何より総司の相手をしてくれる奴がいなくなるのは厄介だな」
……あれ、そこ?
確かに総司の土方さん弄りは変わらないだろうけど。
「えーと、私もう行きますね」
「……西崎」
土方さんが去り際あることを私に呟く。
「土方さん、それって…」
鬼の副長だなんて言われているけれど、本当は優しい人だと思う。
いや、優しすぎるくらいだ。
「いいからもう行け」
土方さんに見送られながら私は屯所を後にした。