新撰組恋絵巻(完)




「……あれ?」







大通りまで出たまでは良かったのだけれど、途中で道が分からなくなってしまった。









そういえば京に来たばかりの時も道に迷ったことを思い出す。








その時はすでに日が暮れていて、おまけに不逞浪士にも絡まれて大変だったな。








たった数ヶ月前のことなのに、とても懐かしく感じる。








……ああ。感傷に浸ってる場合じゃなかった。








幸い、あの時と違って今日は昼間だし道行く人に道を聞けば何とかなりそうだ。









「ふぅ…やっと着いた」







ようやく店に辿り着いた私は早速、饅頭を買おうと主人に声をかける。







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