新撰組恋絵巻(完)




「僕が記憶を失わずに済んだのもこうして君に会えたのも全部帝さんのおかげなんだ」








……なるほど。









あの時、帝がくれたお札と意味深な笑顔の理由はこれだったのか。










なら本当のこと教えてくれればよかったのに。








はっきり言ってくれないところは実に帝らしい。









「僕と会えなくなってたくさん泣いた?」








泣いたけど、ここで素直に頷くのはなんだか悔しい。








私だけが総司を好きみたいで。









「………」







「あ、でも僕になら泣かされてもいいんだっけ?」









な、なんか今日の総司すごく意地悪…。







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