新撰組恋絵巻(完)
どうやら黙っていなくなったことを相当根に持ってるらしい。
……当たり前か。
「勝手なことをしたのは謝る。でもああするしかないって思ったの」
「うん、分かってるよ」
「もう会えないと思ってたし…」
ううっ、今さらながら涙が込み上げてきた。
「あ~、もう泣かないの!!」
見兼ねた総司は私をぎゅっと抱き寄せると頭を優しく撫でた。
「今日は君を連れ戻しに来たんだ」
「え…?」
「土方さんの命令でね」
私は屯所を出ていく際、彼に言われた言葉を思い出していた。